~お客様の五感に訴求する~
先日、レジ機器メーカー主催の研修で山形県庄内地方の三川町にある大型施設を利用しました。
このあたりは庄内平野の米どころ、見渡す限り田園風景が続いています午後からの担当でしたが、朝一番の飛行機を利用し、この施設に到着しました。
あいにく天候が不順で、集中豪雨が降ったりやんだりしていました。
近くにアカデミー賞を受賞した映画「おくりびと」のロケ地になった館があるということを聞き、行きたくなりました。歩いても10分ほどというのですが、この雨ではずぶぬれになってしまいます。
タクシーを呼び、その文化交流館まで出かけました。
タクシーの運転手は愛想がよく、乗車中に、その館についてのおおまかなことを説明してくれました。
その館は別名「アトク先生の館」といって、昭和の初期に阿部徳三郎氏の私邸であったこと、その彼が生前から、名前を縮めて「アトク先生」と呼ばれ親しまれていたことなどを手短に話してくれました。
そして映画の本木雅弘さんが演じる納棺師が棺おけを前に仕事をするインパクトのあるシーンが撮影された部屋があるからと教えてくれました。
きっと、これらのことはパンフレットに書いてあるかもしれませんが、それを見る前に、このように耳から生情報が入ると、さらに興味がわきます。頭の中で既に鑑賞した映画のシーンが蘇ってきます。
この運転手のちょっとした話で、俳優のもっくん(本木雅弘)や山崎努が畳にきちんと座って、何度も演技を繰り返したであろうその部屋の空気を、館に到着する前から共有できた感じです。
運転手さんの話では、映画の受賞で、観光客も増えているとか、そういった観光のお客様は、見知らぬ土地では、些細な情報でも感動したり印象深く感じたりします。
それはお客様の五感がはたらいているからです。
五感を刺激され、なんらかのことを満たされると誰しもうれしく感じます。
その五感とは、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚であり、言い換えれば見たり、聞いたり、触ったりといったことです。
なので、パンフレットやチラシを見て納得してもらうだけではなく、説明して耳から情報を入れることも、あるいは触ったり、試食してもらうことも、お客様に訴求する手立てであり、効果的な販促なのです。
現場での五感の訴求はどのようなものがあるか見直して有効に活用しましょう。