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産地をつけたすだけで安心感が

近頃、天候不順で、夏野菜の価格もなかなか安定しません。

最近よく利用する青果店の店主は、青果品の産地を伝えたり、時には調理法なども教えたりします。彼は毎朝太田市場(果物では都内一)に仕入れに行き、すぐに戻って、自店の飲食店の店頭に並べます。これは個人仕様のお客様向けです。果物は相当な目利きで、「それは〇〇産だから甘いよ」と自信を持って勧めます。狭いスペースなので、プライス表示のみ。なので、必ずひとこと説明があります。少し鮮度が落ちている場合は、「それは早いうちに」などとも付け加えます。こういったひとことを交わしているうちに、私はすっかりその店のファンになってしまいました。耳に鉛筆をはさみ、「さわらないでね、僕が選ぶから」といって、手に取りたがるお客様をけん制もします。果物は傷みやすいですから。

私は彼をひそかに「青果ソムリエのおっちゃん」と名付け、大好きなトマトや手土産用の果物は必ずそこで買うようになりました。採れたて、産地直送、入荷したてなども購買意欲を高めますが、まさにこのおっちゃんはそんな気配を醸し出しています。

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