ハッピー、ラッキーを上手に活用する
人の一生には、たくさんのイベントがあります。結婚、出産、七五三、成人式、受験、入学、卒業、就職、引っ越し、入退院、告別、そして、還暦から百寿まで。目出度いことが多いですが、そして目出度いことばかりだったら、いいのにとも思いますが、そうもいきません。人生にはハラハラ、ドキドキすることも多く、それを無難に乗り越えたい、願望を達成したいと思うからこそ、願掛けや、運勢占いや、縁起担ぎが生じます。
さらに拍車をかけるように、八百万の神といわれ、四季折々の風物、食べ物までにも目出度い、縁起が良いなどが盛り込まれます。日常生活でも上手に取り込んで楽しんでいる人もいます。目出度いこと、役に立つことなら積極的に活用したいものです。
たとえば、節分といえば豆巻きですが、最近ではそのころになると恵方巻がスーパーやコンビニ、飲食店の店先を賑わわせます。恵方巻の起源は江戸時代末期、大阪船場で商売繁盛を願っての風習らしく、それほど一般的でなかったのが、50年ほど前に関西で話題となり、1990年代には関東、そして全国に及ぶようになりました。節分の日にその年の縁起の良い方角に向かって、福を巻き込んだ太巻き寿司を丸かぶりするとその年を幸せに送れるというものです。誰かとともに楽しむという行為、あるいは一人で願かけをする、どちらにしてもおいしいものを食べて幸せな気分になれるのだから、自分本位でお手軽です。
また、身近なようで身近でないのが「大安」「仏滅」です。社会人なら、このことばは、ほとんどの人が知っています。ただいつかとなると暦を見ないとわからないという人がほとんどです。この根源となる六曜は変則的なので、意識しないとわからないのです。なので、逆に「大安の日」を訴求して様々なきっかけとしたり、イベントをしたりするにはもってこいです。宝くじ売り場では「本日は大安」のアピールをして、販売強化につなげているところもあります。数字では1番は幸運度が高く、覚えやすい3番、7番はラッキーセブン、8番は末広がり、無限など幸運イメージを意味付けます。9番は「苦」につながることから疎まれることもありますが、九が重なれば九月九日の重陽の節句のように目出度い日となります。神社仏閣への参拝はもちろんのこと、パワースポット巡りも盛んで、観光地だけでなく商店街にもあちこちと作られています。よい気を上手に取り入れたいですね。
(日本石材新聞掲載より)